○電気のこと
新しいホームステイ先は、
とても綺麗で、英語が通じて、知らない人たちがしょっちゅう来ることもなく、希望すれば毎日洗濯をしてくれるらしく、食べ物も美味しい。
難がある点としては、
節約家で電気をあちこち切られる(使っていても)。
あと、これは事故だが、シャワー室の鍵が故障していて、とじこめられた(笑)。
デスクが見えづらいがデスクライトはないかというと、ないという。ただ、なんとかしようと小さな常夜灯を持ってきてくれたが、残念ながら小さすぎて光になってない。
そもそもが電気が少なくて暗いのだが、この前、たった一つしかない天井の小さなライトを昼間つけていたら、これって切ってもいいでしょと言わればちっと切られた。
暗くて本がみえないよ。。。
それで、急遽リビングの窓際に移動して、なるべく外の光で補うことにした。それでも夕方は日が暮れてだんだん見えなくなる。すると18時になったら太陽光発電のライトが点灯するからそれまで我慢するようといわれた。
前のお宅はうちのテレビよりよほど大きい巨大なテレビがあり、扇風機も使い放題、充電し放題、コーヒーもあったし、お茶も飲み放題であったが、今のお宅は小さなテレビしかなく、扇風機なし(家にいるだけで、大粒の汗が額からこぼれ落ちる)。ただし、天井にこういうのがある。これは扇風機らしい。これはこれで外国っぽくて風情がある。
かなりの速度で風が回って結構涼しいのだが、見慣れない私はこのでかい風車みたいなものが落ちてきやしないかと心配で、あまり積極的にはつかえてない(しかも、電気代を気にしているホストファミリーの前では使いにくい)。
○お金について
また、今の家は、ホストファミリーと出かける時必ずタクシー代を割り勘で払わされる。まあそれは当然なので良いのだが、今日はホストマザーが私にバスの乗り方を教えるとのことで学校までやってきた。しかし、やはりそのままタクシーで帰ろうと言われ、なんとタクシー代を全額払わされた。
しかも財布の中を覗かれ。
ん????
5.3ドル(400円ほど)だからいいけど。
あれ?じゃあなんで学校に来た?
と思った。
フィジーの平均年収は、40万ほどだという。それって日本の10分の1くらいだと思うけど、本当かな?
出典 http://www.cloud-workingholiday.com
最低賃金は今のレートでの時給換算だと250円くらいっぽい。
しかし、電化製品や日用品は、日本と同じかそれ以上で売っている。驚いた。
トイレットペーパーや歯ブラシ、おかし、水、その他諸々全て、全然安くないのである。はっきり言って日本の方が安いくらいだ。
しかし、一体全体家計はどうなっているのだろう。かなりミステリアスである。それなのに、お金を送るからと言って、以前の留学生に頼んで、日本のプレステ(約4万円)を買おうとしているらしい。謎である。
少なくとも私が過ごした範囲内では、外ででパソコンなど使っている人はいない。そもそも持っているのかどうか。
彼らの説明によると、フィジー系はその日暮らしで、給料をもらったら酒を飲み、パーっと使ってしまう人も多数。いっぽう、インド系は日々細々と節約をして、未来のリスクに備えて蓄えるとのこと(勿論人にもよると思うが)。
実際、フィジーに関する本によると、インド人は真面目で、自分のことをしっかりコントロールしているため、財を築く人が多いそう。さらに、真面目で一生懸命な人が多いため、管理職などに就く人が多く、結果的にインド系の方がお金もちになりやすいそうだ。
だからか、フィジー人から、インド人たちがいい立場を奪っていくとか、インド人がフィジー人からお金を奪っているとか思われているらしい。
ちなみに彼らの友人だとの夕方にやってくるおじさんは、インド系の中でもかなりリッチなおじさんだそうだ。綺麗めのトヨタ車に乗り、ナイキのパンツとかをはいて、奥さんと海外旅行をしたりもしているらしい。このおじさんの住んでいるエリアは、金持ちエリアだと、ホストマザーは言っていた。
そして、そのおじさんは頻繁にこの夫婦のために車を出したりしてくれるらしい。
○ムスリムについて
前の家のご夫婦も、今の家のホストファザーもムスリムなので絶対お酒を飲まない。お酒は悪いものだと信じている。彼らは楽しそうに、このお菓子がうまいなどと話をしている。
ホストマザーは4時に起きて、6時半のバスに乗り、3つの個人宅と週に2回ずつハウスキーピングをする契約をしているらしい。半日で終わる日もあれば、丸一日の日もあるが、夫婦共に週に6日仕事をする。3つの仕事を掛け持ちしていて、ホストファザーは工場労働者だそうだ。
ホストマザーはたいてい21時ころには寝る。早っ!と思うが、確かに4時に起きるなら、21時に寝るのは普通かもしれない。そういうわけで、彼女の生活をまとめると、日の出の前に起き(4:00)、日の出とともに出かけ(6:00すぎ)、日の入り(18:00)には帰ってきて、21:00ころには寝る。朝からちょこまかちょこまか動いて、すぐにお腹が減ったといい、さっさと食べてさっさと寝るのだ。
こういった真面目な生活を毎月繰り返していれば、そりゃ多少お金はたまるだろう。そして、お金の話をよくしている。1ヶ月しか使っていない掃除機で、もともと300ドルくらいするやつを100ドルで譲ってくれる人が行くから譲ってもらいに行くんだ!とか。
そりゃ、そこまでコストコンシャスならば、ただでさえパーティーピーポー風のフィジー人の他の皆さんとは全く気が合わないでしょうねえ。
このご夫婦は、机を囲んで座って祈ったりはしない。片方はダイニングテーブルに、片方はソファーで、各々のタイミングで、手で食べたりスプーンで食べたりしている。
ちなみにこの夫婦は、旦那さんがムスリムで、奥さんはたしかシクだかサクだかそんなような宗教だと言っていた。シークのことかな?わからない。
なので、旦那さんはチキンとビーフは食べるが、ポークは食べない。奥さんは、チキンは食べるが、ビーフとポークは食べない。2人とも宗教上酒は飲まない。
違う宗教の結婚はできるの?イスラム教は厳しいんじゃないの?と聞いたら、昔はそうだったし今もそう考える人はいるが、時代は少しずつ変わっている、とのこと。
例えばムスリムでも髪の毛をスカーフで覆う人もいるけど、最近は覆わない人もいるとかなんとか。
○気候のこと
ちなみに今日は7/22だが、日の出付近の6:00-6:30ころは半袖ではやや肌寒かった。時折20度を切る。昼間は海に入れるほど暑く、汗がダラダラ流れる。クラスメイトは一昨日サーフィンに行った。夜は涼しくなる。風も入ってくる。
今、フィジーは冬だ。夏はもっと暑いらしい。でも36度以上になることは夏でもなくて、ただ最低気温が30度前後まで上がるとか。
真冬なのに夏みたいな天気というのがどうも理解し難い。でも、これがフィジーの冬だ。
○留学してよかったか
フィジー留学は、異文化に触れるという意味では、いい留学だったかもしれない。
英語の向上については、2週間ではとても足りないと思った。毎日新しい単語やフレーズを学ぶが、覚える前に次へ次へと進んでいく。だからこそホストファミリー他のコミュニケーションで使えと先生たちはいうのだが、フィジーの英語は伝わればなんでもいいというレベルの英語(正しさはそんなに求めてない)だなと感じる。あくまでも、フィジー語やヒンディー語が母国語としてあって、それを補うための生活の英語なのだ。だから、ほとんどの人が話せるし、聞けて、理解するけど、その単語って本当に合ってる?という感じのこともたまに言う。
例えば、おいでおいでという時、こちらのインド系の人はたいてい、カムカムカム!という。私はネイティブがそう言っているのを聞いたことがないけど。。。
前述の、夕方に来るおじさんの英語もなかなかの訛り具合だ。かなりインド風訛り。
学校の先生たちの英語はわかりやすいし慣用句なんかも使いこなすから、多分かなり特別だと思う。彼らはネイティブとも遜色なく話すのだろう。
でももしかすると、高度な英語力獲得のためには、本当のネイティブの国、すなわちアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、あるいはニュージーランドに行ったほうがいいかもなと思う。
何人かの人は私に、もうすでにあなたはレベル7なのに、なぜフィジーに来たのと言った。私にとってそれは、究極の質問だ。
私は、英語を使い、英語で考えて、24時間英語で過ごすことにそんなに不便は感じない。出張で数週間、朝から晩まで英語しか使わないことも過去わりとあった。でも、時々言葉が出ないことがある。なんというか、調子のいい日はすらすら話せるが、調子の悪い日は脳が疲れすぎる。パソコンのように、英語で考え話すことはCPUみたいなもので、使いすぎると熱くなって、ちょっと冷却しないと使えない。あと、ショックとか、気がかりなこととがイライラすることがあると、英語で話したくなくなる。
つまり、客観的なことを説明するのはできるが、気持ち、感情を表すことが苦手なのと、状況に合わせて使う英語を変えるというようなことが、英語力が至っていないゆえか多分できていない。
その点では、やはりたくさん使う状況に陥り、その状況に陥ったことで自分の課題に気づけたこと、それを補い得る先生に出会えたのはよかった。
先生にこのことを相談すると、英語は状況によって使うべき単語も言い回しも違うからね、状況にしっかりとadoptする訓練が必要ね と言っていた。そしてそのためにはビジネス英語を学ぶべきだ、なぜならビジネス英語を学べば、それ以外の英語は自然に補完できるから、と言うのだ。ほんとかな?
○私の課題
私はレベル7と言われていて、教育制度の話や、日本の文化の話はできても、ある日同僚が突然カツラをつけ始めて、会議の時に出席していることに誰も気づかなかったという話で笑うできないのだ(実際に私が仕事で経験した、ビジネスパートナーとのカジュアルディナーで経験した話)。
ちなみに、例えば、聞き取れなかった時
Sorry?というか、Perdon me.というか、とか。
I'm sorry というか、I apologize itというか。
実のところ、私はどれが一番丁寧でどれが砕けているのかよくわからない。つまり状況ごとの対応変化への苦手意識が、英語に対する苦手意識につながっている。
もちろん、Tell me your nameやWhat's your name? よりは、Could I have your name, please?の方が丁寧であることはわかるけど、例えば、
やあ!元気か?お名前を教えていただけますか?さあ会議を開始いたしましょう、なるべく早くな!
なんていう丁寧さとフランクさが混じり合った組み合わせで話してやしないか心配ではある。
そして、このことを明確に説明してくれる英語の先生に、今まで出会ったことがない。いるなら教えて欲しい。英語は日本語のように敬語はないなんていう先生さえいる。でも、そんなことは絶対にない。彼らのコミュニケーション文化は、そんなに浅はかではない。
政治の仕組みとか、文化の意味とかそういうものは説明できても、他人と喧嘩はできない。
私はあなたのその発言がどうしても許せないとか、あなたのその貧乏ゆすりなんとかして、みたいな、気持ちを表す英語の語彙は少ない。
また、以前ヨーロッパで足がつった時、現地の人はすぐ、クランピング?水を飲みなさい、とか言ったが、足をつってはじめてその単語を知った。ビジネスの場で、足が攣った!ということはかなり稀だ。
映画とかYouTubeで、そういう表現をたくさん知ることはできそうだ。でも、留学してよかったなと思うことは、やはり生活に密着して、その状況に実際に自分が陥ると、五感でその言葉の意味を知ることになることだ。単にノートの上で知るのではなく、蚊に刺されて、実際に痒くなって、Mosquito Biteを知り、軟膏の話をし、蚊取り線香の話をするのだ。
今日はクラスメイトが危うく犬に噛まれそうになり、どうすればよかったか、について話したり、先日は先生の娘が学校の先生に集中的に意地悪されている疑惑が発生して、いじめの仕組みについて説明したりした。
夕方来るおじさんは、彼がインドに行った時、フィジーという国がマイナー過ぎて、説明に苦労した話をした。インド系で完全インド人の顔をしているのに、空港のセキュリティの人に、フィジー?それはどこだ?とか言われて、ここがオーストラリア、ここがニュージーランド、ここがフィジーだ、そして昔インド人が移住して、インド系の人も多く住んでいるんだ、とかなんとかかんとか一生懸命説明し、地図を見せたところ、なんだ!点じゃないか!これは国か!なんて言われたと、笑いながら話した。
昨日は夕暮れ時に、太陽が海の地平線の下へと沈んでゆき、同時に満月が上って幻想的だったが、それをみながらそのおじさんは、太陽と月の間を地球が動いていると言われているが、本当だと思うか?実は地球が止まっていて、太陽と月が動いてるんじゃないかという人がいる。君はどう思うか?なんて聞いてきた。
このおじさんの話は、いつもすごく難しい。この前は、フィジーの山の上から貝殻が見つかったんだ、だからフィジーはボルケーノからできた島だ(海底火山かな?)とか言ってて、フィジーには津波はないし地震はほとんどないんだ、なぜならば海の下になんとかがあって(単語は忘れたが、珊瑚礁のことかな?)、多くの強い波が底とぶつかって打ち消し合うからだ、とか言っていた。
どうも、サルベージ系の仕事をしているっぽくて、地学的な話が多い。そしてまたこのおじさんは、前にも述べたと思うがめちゃくちゃ訛っている英語なので、難しい。それでも、私にはとても興味深い。
○再度どんなことが自分に必要なのかを考える
言葉を習得する時、何語を話すかによらず、もともとの知識によって、質は異なる。ネイティブの子供は、英語はペラペラだと思うが、地学の話はできないと思う。
でも子供は、
犬に噛まれた!くそー、仕返ししてやる!は言えるだろう。私は、わんわんうるせーな、静かにさせろよ、くそったれめ、と思ったとしても、英語では言えない。アメリカ人の子供は多分言える。
知識は、学べば体得できる。でも、感情に関する語彙や、phrasal verbなんかは、多分勉強だけでは使いこなせない。
リンダが比較的論理的な話や文法などの話をするのに対して、午後のサミーの時間は会話だ。サミーは興奮すると早口で面白い話を繰り広げるのだが、私はついていくのが苦手だ。
いつも明るく生徒たちとワイワイガヤガヤ、いろんな話をしている。
私は日本語を学ぶ中国人にも、このような二つのタイプが存在していることを認識している。
片方は、難しい単語は全然知らないし、文法の正しさも知らないけど、やけに日常会話が流暢で、生活する上では何も支障がなく、友達をたくさん作る人。
もう一つは、日本人も知らないような学者が使うような言葉をやけにたくさん知っているけれど、会話は不自然で辿々しい人。
私は後者なんだろうなあと思う。
明日先生に喧嘩をふっかけてみようかな。
そうしたら、喧嘩の英語を学べるかもしれない。